FIT
June 05, 2018
纏う... (FIT)
アメリカ建国当時からのもの含めて
この国の歴史にも関連するあらゆる時代の服飾をコレクションしているのだろう、
手作業の緻密な針づかいの刺繍が施された靴がまず目に留まる。
ドレスのドレープの細やかさもそう...どれだけの時間を費やしたのだろう。
幼い頃、観賞用に与えられていたフランス人形を思い出す。
あこがれの象徴であった人形は、
10頭身に長い手脚、凜として愛らしい顔立ちと
洗練されたレース使いのドレスを纏っていた。
ETRO...ではないけれど、控えめな豪華さが際立つエトロプリントに似た模様と色使い。
唯一気になるハイブランドと同様の贅沢な生地を思い切り使ったドレス、
そして、余った生地で仕立てたという紳士用スーツ。
豪華すぎるペアルックに薄暗い館内でひそかにうっとり...。
このスーツは、おしゃれだった母の
フォーマルな場用のスーツに似ている生地とデザインだな...
今回のテーマは「未完」という言葉で表現できるセレクションだった。
一見すると完成品であるが、制作途中でストップされたものだったり
着古されて擦れていたり、糸がほつれたままだったり…。
Comme de garcon by Rei kawakubo。
ニットながら布のように軽いフォルムの、グランジなデザインは
多くのデザイナーに影響を与えた彼女らしい一枚。
これも制作途中なのだろうか...
(残念ながら、写真を撮り忘れました!!)
いずれにもその洋服一枚一枚の持つ人生を見せられているよう。
完成した際にはまた別の厚みで持って
観るものを魅せているのだろう。
展示数は少ないけれど、一点一点に流れている時間という歴史を垣間見せる空間は
あらゆる時代の時空を凝集したような濃い空気が流れている。
観光客だけではない、
さりげなくおしゃれな人達もじっくり観察するように鑑賞している
The Museum at FIT....
本場欧州のファッションも凌駕し、あらゆる国のデザインが集まる
世界のファッションの中心でもあるこの街。
その雛形を観たような、
ファッション工科大学の一角にある小さな小さな、
それぞれの服が醸し出すその時代の風味が溶けた濃密な空間である。
***
The Museum at FIT
ADMISSION to exhibitions is FREE.
Address
7th Avenue at 27 Street
New York City,
10001-5992
mak5 at 23:30|Permalink│Comments(0)│
Broadcaster, Meteorologist
フリーキャスター
気象予報士 (予報・解説、講師)
DJ/MC・ライター(日英)
日本とカナダ・トロントにて活動。TV/ラジオ出演の他、番組制作・プロモ、取材・執筆等を務める。
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