つれづれなるままに・・・meteorologist, announcer, narrator, writer : miura mayumi Officical blog.

美術

September 24, 2019

Open something... at Shun Sudo - Open Studio

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なつかしいな・・・とどこかで見たことがある。

と、思っていたら、思い出した。小学4年生の図工の時間に写生した花だ。

紅色のダリア。



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アーティスト Shun Sudo(須藤 俊)氏の作品だ!

とひと目でわかる大作が、純白の広々とした空間に浮かび上がる。

キャンバスという窓に二次元で描かれた花や緑達が、窓外で三次元となって舞い踊るように。


9日間という時間で描き出されたこの作品に最後の筆が入ったのは8日目の夜のこと。

オープンスタジオ最終日の訪問で、活き活きと咲く生まれたての花達の瑞々しさにあやかる。




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目黒川沿いをゆっくり歩きながら進むと、探さずともスタジオに導いてくれるシンボル。



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1階にあるカフェに後ろ髪引かれながらも、さらにお出迎えしてくれるシンボル。

それを目印に会場への階段を登る、ゆっくりと。。。。


むむ...好みのセンス、の匂いがする建物かも....。



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到着した途端、ドアの向こうには早くもお久しぶりの知人を発見。

すでに知る人も含めて、きょうはどんな出会いがあるのかと思うと軽く弾む心。



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まずは今回の作品の堪能時間からのはじまり。

なぜか、全身にはなつかしさがほのかに湧いてくる。


墨絵のごとき黒い線描はスプーンや指先を使って描かれたものという。

そして、その上には鮮やかに色づく草木や花。


遠慮やブレを感じない線と色の野太さは、画家そのものに感じた第一印象、

「グラウンディングができている者」の表出にも観えてくる。



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2週間ぶりで2回目のご対面となったShunさんは、最初の印象のままオープンな方である。
(トレードマークの全身黒で統一のおしゃれもそのままだったのだけれど^^)

やわらかな物腰は、今ではもう一つのベースであるNYでお会いしても変わらないのだろうな.....

と心のつぶやきそのままに

「次はNYでお会いしましょう」と正直に伝えてみたところ、

優しい瞳が大きく開いて、笑顔とともになんとなく歓迎されたよう(と思っておく 笑)。



きょうの楽しみは新作だけではない。

新作観賞と同じくらいに楽しみにしていたこの空間で許された落書きお絵描きに突入する。




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期間中にいったいどれくらいの人達が描いたのだろう。

そここで奔放なまでに散らばる絵の具や筆はアート作品の一部のように、そこに在った。


頭の中を空っぽにして...湧き出たベースの色を絞り出してみると

「蒼。」

....やっぱりそうなんだ自分の色は、と心の中で独り言を言いながら。





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雑に、けれど、丁寧に作り上げた蒼の背景の上に何気に描き出したのは、ハート形の花びら達。

考えることもなく次々絵の具を捻りながら重ねて出来上がる、フクシア色のバリエーション。

このままいくと筆が止まらない!という感覚をあえて制止して出来上がったのは

名もない心色の花一輪だった...


”夢中”が創り出した濃く鮮やかな色合いは、無意識の私色なのかもしれない。

意外と情熱的だったのね自分、と再発見した気分。




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20分の夢中時間から覚めたあと、

他の来訪者の作品をあらためてじっくり観賞してみると、

いわずもがなの十人十色、それぞれの世界が、白の空間に星々のように煌めいて並んでいる。


Shunさんが描き出すテーマは常に『POP、POWERFUL、PEACE』という。

その想いに感染したかのように、いや、引き出されたかのように

それぞれのお絵描きがそれぞれの『POP、POWERFUL、PEACE』を

同じこの空間で、目いっぱい力いっぱい描き出している。




どこかなつかしい...。



赤いダリアを描いたあの頃の前後数年は、数え切れないくらいほどの絵を描いていた。

そして、

まだ小学生で幼いとはいえ同級生達とは確かに異なる色彩感覚を持っていた自分を思い出す。


すでに遠慮しすぎるくらいに遠慮を知るこどもだったけれど、

今より遥かに自由で自分を隠さない表現をしていたあの頃。


20分間の夢中は、あの当時の自分、もっと好きな自分という者に感触を持って再会したようで

こころはピースフル(安らか)な感覚で満たされていく。



NYの旅つながり、友人つながりで辿り着いたきょうのオープンスタジオ。

Shun Sudoという人が持つ空気と力が丸ごとつまる時空間で描いた絵は

忘れていた私の『POP、POWERFUL、PEACE』の表れ。

あの日に描いた紅いダリアによく似た構図がそれを物語っている。



ありがたいなぁ・・・。

Shunさんという素晴らしいアーティストと、縁をつないでくれた友人と、

この場での新しい出会い達、そして、多分、

B面として、きょうという日の邂逅で一番嬉しかっただろうあの頃の私との再会。



新旧のあらゆる出会いにそっと感謝して、私の中の新旧の扉を開く...

芸術の秋の始まり2019秋分の日にて。






**cube14さん、写真撮影までしていただきどうもありがとう!
 何気にShunさんポーズを真似してみた 笑。




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 *須藤俊(Sudo Shun)


 アーティスト。
 東京生まれ。アメリカンポップカルチャーの影響を
 強く受け、20代に全米を放浪し、帰国後、30代前半から
 絵を描き始める。母国である日本文化と旅で触れた
 米国ストリートカルチャーの体験が創作の原点であり、
 対極にあるとも言えるそれぞれの文化のリフレクション
 がShun Sudoの世界を創り出している。
 ( ONISHI GARELLY, NYC:
 Shun Sudoプロフィール
より抜粋)



















mak5 at 21:32|PermalinkComments(0)

November 03, 2018

秋の遊び

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色づき

始める

季節に

色彩と

戯れ

心動かす...

街路樹と

美術館....

外に

内に

それぞれの

彩りと

遊び

心の色

塗り替える、

文化の日。








*秋の遊び:心を動かされる秋の風情のこと。紅葉山や澄み渡る山河、浜辺や
      夜空など、秋には心に染みるような趣が多い。秋の季語。






☆つぶやき...
 文化の日恒例の文化関連の施設のフリー・デー。
 今年は横浜にて銅版画家・駒井哲郎さんの作品に触れる。
 白黒の世界に長らく拘り住んだのち、ほぼ晩年から選んだ
 多様な色彩で表現する世界を、「追い続けた夢を叶えたよう」と彼は例えます。
 モノトーンを”あらゆるものを削ぎ落とした”ゼロの姿とするのなら、
 そこに足された色達は”真に必要(好きな)なもので彩られた”フルの姿。
 全てを遠ざける・捨ててみる...そして、在るべく色を持つ姿=自分に戻る...
 言葉の受け取り方は十人十色、いったんそれを徹底してみること、
 やはりそんな時期なのかな...と受けとめる文化の日にて。







もみじ毎日の天気予報・つぶやき・空フォトは

こちらへ → fb 毎日更新 









 

mak5 at 21:04|PermalinkComments(0)

May 11, 2018

いつもの...(Friday free night..)



いつも通りの混雑を予想しながらも、金曜日の夕方といえば出かけるはここ。

MoMA, UNIQLO Friday Free Night!

いつもよりは音無しい混み加減のせいか、わが定番の撮影スポットでも楽々と一枚。


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...彼の一枚には、同じく私の撮影姿が写っていることだろう。

私が撮り終えたあとは、先方もカメラを下ろしていた (笑)。



さて、定番の鑑賞コースは、展示の最上階で開催されている特別展示からスタート。

そして、階下へと順次移動する。






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画家の幼少時の肖像




〜 “It seemed that the more clearly and abstractly I learned to think,
the more clearly I was able to hear my gut telling me what I needed to do,
and the more pressing it became to do it.” 〜
(words by Ms. Adrian. herself, in 1996)


より明確かつ抽象的であるように思考することを学ぶほどに、
魂が告げてくれる私がなす必要があるものがより確かに聞き取れる、
そして、なすべき方向に背を押してくれる...ようだった”
< MoMA HPより>



彼女の数多ある作品の中でも、今回は
人種差別、異人種差別を軸に、いまだもって社会的、政治的のみならず
芸術的にも排他/排斥の対象とされている事実を
真正面から捉えた作品に焦点をあて、展示している。
そのテーマは写真、絵画、インスタレーション、映像と
あらゆる手法を通じて表現されているが、
何よりも1996年の彼女の言葉から伝わる熱があふれんばかりに伝わってくる。
感情の痛みを感じるポイントをチクチクとついてくるように。



原爆(作品は、長崎原爆)....このテーマもそう。
語る際にはどこかで割り引かれ、経緯や被爆についての真実は藪の中いまだ、のコト。


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なにをかいわんや....。



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彼女のガッツ(魂)から提示された質問も、作品の一つである。

鑑賞者はカードを自由に持ち帰り、

自身の中にあるだろうこの類の葛藤を見つめるチャンスを与えられる。




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あらゆる方向に沸く憤りや怒り、不安不満は自らの中にしかない....
と、ずっと、そしても、今この瞬間も思っている。




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私たち全ての者の内奥にある、匂いあるものを見せられるような作品ではあるものの

”重り”を感じないのはどの手法にも存在する

彼女の持つ「美」を表現する才が成す技なのだろうか...

生存者にして特別展示のワンフロア全てを使用した展示は、MoMAの史上初とも聞く。

MoMAにとっても挑戦であろう会場を出て、階下に向かう通路の窓外は

きょうも清々しく晴れ渡っている。




相変わらずの”すごい”人だかりである

ゴッホ、モネなど永遠の名作を連ねた階を軽くスルーして

生粋の米国作品の展示会場へと移る。



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この色彩は微笑ましい。

”Untitle”。。。のタイトル通り、何を読み取るわけではないけれど気分がすっとする一作。

この作品は初めてかな...多分なんども観ているはずなのだけれど、

いまの自分には新鮮である。



展示作品の何十倍もおいでだろう鑑賞者にはいつも通りに体力を消耗気味。

予定より少し早めに切り上げたけれど、次回の訪問のターゲットはしっかり決める。




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Frighday Night....とはいってもまだまだこんなに明るい青空。



いつも通りのマンハッタン・ミッドタウンで過ごす金曜日。

けれど、一年ぶりの訪問にちょっぴり道の記憶は薄れていた。

けれど、きょうも万歩計の針を大きくふれさせて、

時差調整中の体と記憶を呼び起こす...

いつも通りに、美に触れる金曜日。


今回のキーワードの一つは『美』もあるらしい。。。




*人の波には疲労感だけがあるけれど、 一方で、各階の案内役でもある老練の女性スタッフや訪れる人のおしゃれさには心動かされる刺激になる。芸術作品の放つエネルギーよりも、目の前の人々の放つ鮮度あるエネルギーに浴する楽しみの恩恵のほうが大きいのかもしれないわね。
とにかくおばあちゃま世代のスタッフがハンサムマム達で憧れ級のかっこよさです。





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 本日のカフェタイムはこちら...
 前回心を奪われたチーズケーキをもう一度のつもりで再訪。ですが、残念ながらの品切れ。
 姿そのままのキャロットケーキでしたが...sugarly toooooo much(私の味覚では)。
 (一口食べてあまりの甘さにびっくり!後の写真で失礼)
 なんだか切なくてリベンジの再訪を誓う結果になるのでした...。
 まあ、ここのフードホールは好みということもありますし。


 The Plaza Food Hall
 :William Greenberg Desserts
 
 Fifth Avenue at Central Park South
 New York, NY 10019












mak5 at 23:00|PermalinkComments(0)

September 04, 2016

life is...


それは.....麗しく、剛気に満ちる空間でした。

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連作「聖霊の実」
love. joy, faith, long-suffering, gentleness, goodness, meekness, temperence, peace



ひとりの女性....すでに母であり、祖母であり、妻である...が
自らの行動に情熱と意思を込め、写真という形で表現した彼女の意識。
それはようやく歴史のいつからか絡めとられた呪縛から
ようやく開放されはじめた現在の女性達のものと変わりません。

150程前にカメラマンとして活動を始めたジュリア・マーガレット・キャメロン。
彼女には、今の時代の女性達以上の強さが備わり、
ハンサムな主張を作品、当時では異端となじられてその独自のプリント手法から感じます。


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ベアトリーチェ(1866年)

すでにオンナそのものである齢の女性達に住む清々しい妖しさ...


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両性を供えた齢の幼女達に、すでに見える柔らかな女としての艶...


モノクロとセピアの濃淡と光り、時にクラック(ひび割れ)から写し出される
女という存在の美。

みな静かで繊細な視線を放ちながらも、瞳の奥にある一つ一つの意思に圧倒される。

写真という二次元・平面から溢れる
それぞれに棲む三次元以上・立体的な魂の温度のせいなのでしょうか。



Life is ....beautiful.

All "the Woman" is ... beautiful.


あらゆるものを産み出し、包み、変化させる源としての存在....女性達すべて
が持てる美が、そこにありました。

写真家・ジュリア・マーガレット・キャメロンの視線を通してわが瞳に映る、

変わらない、女達の持つ性と美を観る空間。


過去に戻ったような懐かしさと
未来に進んだようなときめきを
胸の内側にある今に共存させる....ような時間です。


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自分の素の魅力を写し出してくれる写真....10月のNYCで撮ってきます...
あなたもいかがですか...タイミングが合えば。
ちょうどその頃に旅しているとか...すでにお住まいの方でも...
もともとある自分の素敵さや美しさを引き出して下さる、魅力的なフォトグラファーさんです。
琴線に触れるものがありましたら、メッセージの方へをどうぞ。
詳細をお伝えしますね。 





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 『From Lifeー写真に生命を吹き込んだ女性』
 ジュリア・マーガレッと・キャメロン展

 (〜2016.9.19 於:三菱一号館美術館)



※作品の写真は、撮影可能エリアにて著者撮影。
 彼女という人生の、強さと図々しさと素直さに、一番圧倒されたかもしれません。
 ここに至るまでの経緯を是非展覧会で注目して頂きたいな。。

mak5 at 20:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

July 15, 2012

ちょっと....

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どの子にも...続きを読む

mak5 at 20:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)