November 05, 2017
文化の日のお話の続き...前編はこちら..。『Inner beauty』
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上野の森は、お花見の季節以上の賑わいなのではないかしら。
美術館を後にして、お茶でほっとひと息。
文化の日晴れ、の眩しい日差しを避けるように向かうのは、国立科学博物館。
開館から130年ほど、常設展示数は約1万4000点、保管は400万点以上。
ここに、私がお手伝いした仕事のささやかながらの痕跡があります。
あの日も、今回も、観賞の第一歩はこの望遠鏡からです。
トロートン天体望遠鏡。
同展示室に置かれた日本最古の地震計とともに重要文化財に指定されています。
日本館1階からのスタート地点で、いきなりわが嗜好のど真ん中に入る展示物。
はて、職務遂行は無事に出来るかしらと、ちょっぴり浮かれ気分で始まった作業は、
音声ガイド・英語版の翻訳チェックと展示物の解説板とその内容の照合、修正です。
展示数だけでも1万点以上、日本館と地球官ともども隅々までのチェック作業は
合計十数時間。万歩計を着けていたとしたら山手線1周分程の距離だったのかもしれません
(それはないと思うけれど 笑)。
途中で何度か集中力を低下させつつも、全展示をマイペースで制覇できる役得。
何より科学的視点で観られ収集された地球と宇宙のあらゆる
知性に触れられる大特典に魅せられ、
長い、心臓破り的な耐久レースを無事走り抜けることが出来たのです。
閉館後更に数時間の作業は、展示室独り占めの時間でもあります。
最終地点は物理科学の部屋。オーラス手前には原子力開発の解説コーナーも控え、
興味深いテーマのお陰で身体的疲労は軽減されたことを覚えています。
あの時以来、展示内容に多少の更新があったとしても、
音声ガイドの原稿や内容そのものは概ね変わらないことでしょう。
黒子として関わったわが仕事は、
今日も誰かのガイド役となり科学の世界を楽しんで頂けている。
偶々、タイミングがあって担当させて頂いた仕事ですものの
光栄なご縁だったと、時が経つほどに感謝が深まります。
あの日はひたすら目の前の展示物と解説版と英訳テキストを見つめるばかり。
歴史ある建築物としての日本館、そして、近代的な造りの新館・地球館を
堪能する余裕はありません。
視線は常に斜め下かまっすぐであり、上を見るなんて頭を過ることすら無かったような。
天上を思い切り見上げると、あらなんともハイカラなこと。
白壁の柱と天井、そして、控えめなステンドグラスがコラボする
リュクスな上品さをまとまった空間です。
しばしの時を置いて、またの訪問となるのでしょう。
ふらりのその時を前に、音声ガイド・日本語版のガイド役として訪問できることを願って
わがヒストリカルプレイスを後にする。
その時もこの方は空を舞っているのでしょうね、宇宙飛ぶクジラよ。
ではまたの機会にお会いしましょう。
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上野の森は、お花見の季節以上の賑わいなのではないかしら。
美術館を後にして、お茶でほっとひと息。
文化の日晴れ、の眩しい日差しを避けるように向かうのは、国立科学博物館。
開館から130年ほど、常設展示数は約1万4000点、保管は400万点以上。
ここに、私がお手伝いした仕事のささやかながらの痕跡があります。
あの日も、今回も、観賞の第一歩はこの望遠鏡からです。
トロートン天体望遠鏡。
同展示室に置かれた日本最古の地震計とともに重要文化財に指定されています。
日本館1階からのスタート地点で、いきなりわが嗜好のど真ん中に入る展示物。
はて、職務遂行は無事に出来るかしらと、ちょっぴり浮かれ気分で始まった作業は、
音声ガイド・英語版の翻訳チェックと展示物の解説板とその内容の照合、修正です。
展示数だけでも1万点以上、日本館と地球官ともども隅々までのチェック作業は
合計十数時間。万歩計を着けていたとしたら山手線1周分程の距離だったのかもしれません
(それはないと思うけれど 笑)。
途中で何度か集中力を低下させつつも、全展示をマイペースで制覇できる役得。
何より科学的視点で観られ収集された地球と宇宙のあらゆる
知性に触れられる大特典に魅せられ、
長い、心臓破り的な耐久レースを無事走り抜けることが出来たのです。
閉館後更に数時間の作業は、展示室独り占めの時間でもあります。
最終地点は物理科学の部屋。オーラス手前には原子力開発の解説コーナーも控え、
興味深いテーマのお陰で身体的疲労は軽減されたことを覚えています。
あの時以来、展示内容に多少の更新があったとしても、
音声ガイドの原稿や内容そのものは概ね変わらないことでしょう。
黒子として関わったわが仕事は、
今日も誰かのガイド役となり科学の世界を楽しんで頂けている。
偶々、タイミングがあって担当させて頂いた仕事ですものの
光栄なご縁だったと、時が経つほどに感謝が深まります。
あの日はひたすら目の前の展示物と解説版と英訳テキストを見つめるばかり。
歴史ある建築物としての日本館、そして、近代的な造りの新館・地球館を
堪能する余裕はありません。
視線は常に斜め下かまっすぐであり、上を見るなんて頭を過ることすら無かったような。
天上を思い切り見上げると、あらなんともハイカラなこと。
白壁の柱と天井、そして、控えめなステンドグラスがコラボする
リュクスな上品さをまとまった空間です。
しばしの時を置いて、またの訪問となるのでしょう。
ふらりのその時を前に、音声ガイド・日本語版のガイド役として訪問できることを願って
わがヒストリカルプレイスを後にする。
その時もこの方は空を舞っているのでしょうね、宇宙飛ぶクジラよ。
ではまたの機会にお会いしましょう。