つれづれなるままに・・・meteorologist, announcer, narrator, writer : miura mayumi Officical blog.
夏果木染月

August 31, 2017



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@Asia Open Data Hackathon 2017, Demo Day.



「…..う〜ん、いろいろ難しいんですね・・・」
 幾人かの参加者の口からふとこぼれていた言葉。

「気象情報または気象データと聴いて、何をイメージしますか?」
Imput Day、日本の課題である「気象」の講義はこの質問で始めてみました。

日常で当たり前のように気象情報は使ってはいる、けれど、
他の誰かに向けた情報の一部として活用するとき、
自身のその知識のあやふやさや思い込みに気づく….。
ハッカソン本番であるプロダクト開発の2日間に、
それを言葉にする人、言わないまでものそんな空気がちらほら放たれています。
メンター予報士数人への質問も、予想よりは少ないままに過ぎ行く
静かな時間....わずかながら不安を覚えます。

(...気象データが持つそれぞれの意味を理解した上での実用性あるプロダクト。
  はて?できるのかしら・・・)


hack imput














@Asia Open Data Hackathon 2017, Imput Day.



hack demo














@Asia Open Data Hackathon 2017, Demo Day.




そして、迎えた4カ国の選抜者が揃ってのDemo Day。
ハッカソン締切り時間の発表には“気象データの正しい活用”という側面では、
足元がちょいとおぼつかない印象があったものの本選では確かな変化がありました。
改良と調整が慎重に重ねられたのでしょう、気象情報という素材の料理の仕方に
安心感と信頼感を得るレベルまで達するプロダクトに成長した印象です。
同時に、データとしての「気象」はそれぞれのチームの想いと遊び心の掛け合わせで、
ハッカソン全体のメインテーマである「アジア共通の課題を相互に解決!」にも
見事に寄与しています。

穏やかに過ぎたかのように見えたハッカソン時間にも、
Demo dayに感じたエネルギー=熱量、その熱さがすでに脈々と流れていた。
ImputからDemo dayの1ヶ月弱を通したいずれの時間も
参加者の熱い想いや作業が続いていたことが理解されます。


『イベントを終えたいま、気象についてのイメージは?』と
尋ねるチャンスはありませんでしたが、
さて、参加の皆様からはどんな答えを頂戴できるのでしょう。

気象予報士“的“には「予報と防災のための数値データ」であり、
常に客観的、無機質なものとして扱い観てしまうもの。
ですが、ここで生まれたそれぞれの成果物から見える「気象」には、
創り手の想いが吹き込まれ、データは鼓動と呼吸とともに体温を持ちながら
日常生活により寄り添う形に変換されている。
気象データが有機的なモノの一部となって変容し、
使う人それぞれのモノ...わたしのための情報...になっていく。
そのことに嬉しさを感じないではいられませんでした。

「Standy」…国内の最優秀賞を獲得したアプリです。
(こども大人問わずに心をくすぐるその詳細はレポート(リンク)をご覧下さいね)

生み出されたどのプロダクトも、心くすぐる実用性も高いものばかり。
講師・メンター・審査員として(図らずも結局全役目を担っていた 笑)、
それぞれが生まれる過程をじっと見守る身には、
どれもが子や孫(?)のように愛おしい…

ただ、ネーミングのプライズがあったとすれば、
やはりこれを選んでいたかと思います。


standy”
「いざという時に頼り[力]になるもの[人]」




気象(天気予報)も"standy"そのものも。

「いざ(異常気象、自然/人工的災害、防衛)という時には
 あらゆる行動の支えとして、更なるその力を発揮する頼りになる情報」である....



流れに乗るままにいつのまにかお手伝いさせて頂いたAsia Open Data Hackathon。
普段にはない業種とその道のプロフェッショナル達との出会いは、
知識と技術、何よりそこに集まる個性との交流であり、
いつもにはない刺激を頂戴する場でもありました。

イベントそのものの熱度の高さもさることながら、
その熱を約1ヶ月の長時間に渡り維持し盛り上げて下さった
現場プロデューサーズであるHackCamp、及び、
大阪と富山のスタッフの皆さまの精悍なるパワーに
私からも心から厚く感謝申し上げます。

デモデー締めの集合写真...
そこには参加者の一点の曇りのない笑顔、笑顔が咲いています。
光を放ってもみえるそれぞれの清清しさは
スタッフの皆さまの尽力をも物語ってくれているように...思います。

今回生まれたプロダクト達は、受賞の有無を越えてこれからさらに進化し
いつの日にか私達の前に姿を見せてくれることでしょう。
開発者であり参加者である皆さまは、きょうもさらなる精進をされていると想像します。

私達、気象予報士も同様、変わらずに
命を守る使命を持つ者として”粛々と精進”をして参ります...


”私の(あなたの)スタンディー“
であるために。




「Asia Open Data Hackerson 2017 レポート(1〜4)」 by HackCamp
 是非是非ご一読を→ http://hackcamp.jp/hackathon/aodh_report/



mak5 at 15:08│Comments(0) イベント | 心もよう

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